2008年04月01日

ネパールのお話 その3

私のボランティア先『子供の障害者施設』

私は障害者と接することが今までほとんどなかった
もしかしたら無意識に避けて来たのかもしれない
おまけに人様の子供と接したこともほとんどない
「ボランティア内容は何でもいいです」と言った私にあたわった課題
難しい事を考えるのは苦手、トライのみである(笑)

施設までは徒歩30分ほどの距離
初日は目印がない通勤路を必死に覚えた
行きはホストファミリーが一緒だったが、帰りは一人で帰らなくてはならないからかなり真剣(涙)
施設には5歳ぐらいから17、8歳の大きな子まで30人ほど
基本的には皆大なり小なり知的障害者であり、体の不自由な子も7割くらい
仕事の半分はおトイレの世話、あとは遊び相手、簡単な学習、お食事の世話だった
「ハート トゥ ハートだから大丈夫」
先生はそう言ったが、コミュニケーションをどうとっていいかも分からない
私はもう一人の先生と6人の部屋を持った
新聞の切れ端を見つめている子、ずっと何やら叫んでいる子、椅子に縛られてバタバタしている子
最初・・・一番大きな男の子がとても怖かった
ちょっと油断すると頭にボールを投げつけられ、手を出せと言って出したらくじかれたりした
どうしていいか分からず、その子と3時間ひたすらボール投げをした
食事時には、食器をひっくり返されてご飯をかぶった
先生と一緒に暴れる子を捕まえて、無理矢理椅子に座らせた
思っていた以上に大変で初日は疲れてぐったり・・・

ところが2日目
先生よりも早く到着すると子供たちが私を待っていた
「なますてー」
昨日会っていてみんな覚えているらしく、人懐っこく抱きついて来る子もいる
不思議と子供たちが可愛くなってしまった
ふと笑う瞬間、私に何か伝えようとするしぐさ、言葉カードを一生懸命探す姿etc
簡単なネパール語の歌を覚え、一緒に歌ったりもした
『ハート トゥ ハート』
その意味を本当に体感した時、言葉にならないささやかな喜びがジワっと体の中を流れた
帰り際、私とボール遊びをしていた男の子がネパール語で何か言った
先生に聞くと、「あなたのことキレイだねって言ってるわ」と
何をどう見て彼がそう言ったのか誰にも分からない
擦り傷だらけの私は胸がいっぱいになった

障害者の子供たちは、体の不自由さと引き換えに特別な才能を持って生まれているという
私達には到底追いつくことができないくらいの特別な才能を持って
帰国してから聞いた話だったのだが、本当にそうなのかもしれないと今思う

彼らは、まるで本当の兄弟のように助け合っていた
大きな子が小さな子の手伝いをしたり、普通に歩ける子が体の不自由な子の食事を世話したり
赤ちゃんのように澄んだ目をしたあの子達と過ごした時間
現場で体感した数々の出来事は、とても大事なことを私に教えてくれた

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