2008年04月03日

ネパールのお話 その5

現実を突きつけられた瞬間、日本での現状

ネパールでの穏やかな時間が終わり、また飛行機をトランジットして帰国した
早朝関空に到着し、はるかに乗って新大阪へ
そこで10分後のサンダーバードに乗り換えて金沢へ着くはずだった
ところが金沢で事故があり、午前中の電車が全部なくなるハプニング
“バタバタしてもしょうがないや”
私は本屋で本を買い込み、ホームのベンチに座って読み始めた
周りには嘆くおばちゃんや携帯電話で文句を言うサラリーマン達
3時間後臨時のサンダーバードが大阪を出た
新大阪に到着した電車はすでに満席、立っている人が何人かいた
私もスーツケースを持って何とか乗り込む
京都へ到着
新大阪の3倍の人がホームに立っていた
ネパールでギュウギュウ詰めにバスに乗っていた私には、とても違和感があった
“なぜ詰めてあげないの?まだ人が乗れるでしょ?”
私は座席に座って騒いでいる8人グループの女の子達に言った
「手すりにかけてるゴミ袋や荷物を窓際に置いてもらえませんか?
そうするとあそこで待ってる人の1人でも2人でもここに乗れるでしょう?」
彼女達に決して悪気はなく、気づかなかった様子で片付け始めた
列車は出発して立っている人もかなり窮屈な状態
ビールを飲んでゲームをしている中年グループもいる
具合の悪い人が出始め、駅員さんが席を代わってくれる人を探しに来た
誰も立たなかった
1分後、しょうがなく駅員さんの目の前の人が立った
「困った時は助け合おう」なんてここには存在しなかった
本当に寂しかった
人として大事なことを忘れて私達は生活して来たのかもしれない
とても便利で、いつも忙しくて、裕福にまぎれて

先日息子が夜中に吐き続け、夜中病院をぐるぐる探して走り回った
「子供は見れません」
何件も断られた
自分達の都合や条件で人を助けれない、と私には聞こえた
そんなものばかりが便利と引き換えに私達の前を歩いている気がする

ネパールのファミリーが教えてくれた
ネルマラーというシスターの言葉
「100人にできなければ1人に」
いろんな意味で自分にできることを探し続けるということ、そして行動に移すこと
私達の豊かさを少しだけ別の人に分けることは、そんなに難しいことではないと思う

今回ネパールにて
自分へのお土産を一つだけ買った
値切って奮発して買った1枚の小さなマンダラ
1000ルピー(1800円)
ネパールでのことを忘れないように
そして次はもう一回り大きなマンダラを買える自分になるように
金沢で表装した日、私は嬉しくて子供のようにそれを抱えて歩いて出かけた

20代
私が欲しかったものはグッチのバックや新しい洋服だった
今私が一番欲しいもの
自分以外の誰かに使える余裕、お金や時間
そして次ネパールへ行った時のための寝袋(笑)
もっと見たいものがあったし、しきれなかったこともたくさんある
「自分の目で見て感じる事の大切さ」
ネパールはたくさんのものを私に見せてくれた
私の不完全燃焼は、必ずリベンジするつもりである

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