2006年04月17日

Takeoさん

少し小雨が降る東山。来店された男女とオリバーの物語

「すいませーん」
ジョギングスタイルで来られたカップルの男性の方が優しい笑顔で私に言った
「こんな格好でごめんなさいね。外国の方がこちらを探していたのでお連れしたのですが・・・」
二人の名はTakeoさんとHirokoさん
東山をウォーキングしていて、一人で地図を見ていた外国人の男の子に話し掛け
一緒に来店されたとのこと
彼の名はオリバー
ドイツからやって来た25才の彼は・・・ちょっとキアヌリーブス似の長身オトコ前
造形関係の仕事をしながらお金をためて3年間世界のあちらこちらへ
伝統的な建物などを見に旅しているらしい
偶然出会った3人は懐華楼の玄関で仲良くなり、自己紹介をしあって握手をしている
私はずうずうしくもTさんに通訳を頼んで店内を一緒にまわり案内することにした
私「館内の畳はすべて草木染めでございます。こちらの朱壁のお部屋が・・・」
T「ぺラぺーラ、ペラペラペラペラ」
オリバーうなずく
私「裏階段というのは、旦那さんが表から帰ると都合が悪い時、他の人と顔を合わせるのが嫌な時
こちらから帰られる通路なのです」
T「ペラペラ、ぺラペーラ、ペラペラ」
オリバー・・ちゃんと意味が分かっているらしくにこにこしながらうなずく
日本語でも伝えるのがなかなか難しい独特のお茶屋文化を英語で説明できるTさんを
“すごいなあ。きっとタダ者ではないわ!”と見とれてしまった

私も外国に行った時そうだったが、一人でいるといろんな人に声をかけられる
どこから来たの?どこ行くの?仕事はなに?今から何するの?名前は?お茶でもしない?etc
イタリアのように女性とあれば声をかけないと失礼だと思っているらしい国では
一日に30人近くの男性に声をかけられる
そのうち半数がナンパである(笑)
そうではない国でも、地図をひろげていると地元の人が寄って来て教えてくれたりする
日本では頼まれもしないのに、外国の旅行者を自分から助けてあげる人は非常に少ない
Tさんは日本人には珍しい積極的な親切心にあふれた人のようだった
しばらくして一組のフランス人老夫婦がまた来店
私はTさんのところへ行き
「初めてお会いした方にこんなこと頼むのは失礼かもしれませんが、もしお時間が大丈夫ならもう一組の
外国の方にも説明してもらってもいいですか・・・これもきっと何かのご縁ですね 笑」
Tさんは快く承諾してくれ、この後オーストラリアから来たご夫婦も同じように英語で説明してくれた
Tさんの説明を受けたラッキーなご夫婦達はご機嫌で帰って行った

「ありがとう!また来ますね!」
Tさん達はオリバーを連れてさらにどこか案内してあげる様子だった
この国際的?文化施設の懐華楼、実は女将さんも英語がぺらぺらなのだ
もっぱら中学生レベルの単語ならべ、勢いとジェスチャー専門
「てんきゅー!(さんきゅー)」だけが得意の私(笑)
“いつか私もTさんや女将さんのように外国の方もおもてなしできるようになろうー!”
ステキな旅の道連れを体感した、ひがしの春の一日だった

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