2007年09月13日

午後、接客中の私のところにスタッフが走ってやってきた

「あの・・・おばあ様がいらっしゃってます」
ん?おばあ様?私の?
玄関に向かうと母方の祖母が一人で腰掛けて待っていた
「どうしたのーーー???」
白山市でもかなりの田舎方面、田んぼの真ん中からご近所バスツアーで東山にやって来たとのこと
農業で日に焼けた顔は、いつもニコニコ優しく笑っている
「みんなで東山行くがになって、せっかくやしあんたに梨でもと思って」
紙袋には大小たくさんの梨
「こんな重たいもん持ってバス停から歩いて来たの?」
80歳近い老人が歩くなら5分の距離ではない
9月と言ってもまだまだ暑い昼の最中
小さい祖母は梨を届けるために、みんなより先にせっせと一人で歩いて来たらしい
「お店の人らと分けまっしね」
私は胸がいっぱいになって言葉が出なかった

彼女はとにかく旅行が大好きだ
旅行が好きで、お土産を買うのがもっと好きである
いつも住んでいる町一つ分買い占めて帰ってくる
時には自分の持てる範囲を超え、娘達に叱られたりもするのだが(苦笑)
どんな近い場所に出かけても、私たち孫それぞれに小さなお土産を買ってくる彼女
あげた時の『人』の喜んだ顔を見るのが好きなのだと思う

いつか私がおばあちゃんになったら・・・
孫に食べさせたい一心で、重たい梨を持って出かけるだろうか
連れのおばちゃんが追いついて私に言った
「あんたのばあちゃん、一生懸命梨持って歩いとったわ」
祖母の愛情の深さにただただ頭の下がる思いだった

30年経っても40年経っても
今日祖母からもらった梨のことを、私はきっと忘れられないと思う

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